こけら葺きと 那智の滝と

2013/12/19

伝統素材

板葺きの屋根は、茅葺き(かやぶき)に次いで古い歴史を持ちます。

その中でも代表的なものがこけら葺き。

素材には檜(ひのき)、椹(さわら)、杉、榎(えのき)などの2~3ミリ厚の削ぎ板が使われます。

こけら葺きの建物で有名なものは金閣、銀閣。そして那智の滝でも有名な青岸渡寺さんの本堂など。

kumano nachi taisya
kumano nachi taisya / hirotomo


ところで、こけら葺きの「柿(こけら)」、柿(かき)と同じだと思ってませんか?

ところが、違う漢字なのです。史実でも同じ漢字として使われているようなのですが、MSゴシックでフォントサイズを大きくすると…

伝統素材を伝承していくために

ほら、同じ木偏ですが「市」の字、コケラがくっついているのに対して、カキは離れていますね。
「コケラ」は8画、「カキ」は9画。だから元々は違う字なのです。

こけら葺きに、カキの木は使いませんものね。


さて、青岸渡寺さん、今年の大みそかにも
三重塔と那智の滝のライトアップが行われるそうですね。TVゆく年くる年などで、年末の風物詩にもなったニッポンの大切な風景。

今年も観られること、とても嬉しいことです。
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P7124968 / yuen yan