気持ちだけでも 涼しい古民家に

2013/07/30

古民家鑑定士

暑い毎日。
ちょっとだけでいいですから、涼しい場所に行きたいですよね(笑)
というわけで、今日は信州(長野県)へ心を馳せます。


まずは安曇野。キレイな水とワサビで知られていますが…
ゲーム・桃太郎電鉄では安曇野はワサビ田と餃子屋さんが名物。

実際に行ってみるとこんな餃子屋さんがあるんです。


改築されていますが、屋根に大きく切りかかれた高窓。建物の大きさからも、裕福な養蚕農家であったことがうかがえます。お店の方にお尋ねすると、約150年の古民家でした。


こちらが安曇野名物の餃子。
キレイな水と新鮮な食材がふんだんに使われているようです。



せっかくなのでお店を紹介しましょうね。
美味しい餃子を食べられる古民家です。
安曇野餃子館
 〒399-8303  長野県安曇野市穂高5335
 TEL/FAX 0263-82-2629
 11:30~14:00 /17:30~20:30
 定休日 木曜日/第1・3水曜日(祝日は営業)


さて、まだまだ信州には古民家がいっぱいありますね。

古民家を語る上で欠かせないのが
国指定重要文化財 曽根原家住宅




切り妻造の 妻入り。そして、勾配のゆるい板張りの屋根を石で押さえています。これを「本棟造(ほんむねづくり)」といいます。

本棟造については古民家鑑定士・伝統資財施工士のテキストにも紹介されていますよ。勉強したい方は、受験をオススメします。

さて、 この建物、1650年ごろのものといわれています。「本棟造」としては日本最古のもの。
じゃあ、築360年!?といいたいところですが、実際には再築されたものなのです。解体され、古材に新しい材木を加えて建て直されています。「スクラップアンドビルド」ではなく「オーバーホール」ですね。日本の住宅は、そうして長く伝えられてきました。

また、本棟造にはもうひとつの特徴があります。それが下の写真の「雀おどし」。
もともとは案山子(かかし)の機能らしいですが、近世では化粧破風板と共に屋根飾りとしてつけられていたようですね。瓦葺きの比較的新しい建物にもこうして付けられていました。


多くの古民家に蔵。
信州には多くのタカラが残されています。新たに建てられる家も、古民家風。そして漆喰や左官材がたっぷり使われています。
信州の皆さんのおクニを愛する心が伝わってきますね。
ゆっくりと巡りたい場所のひとつです。

最後にクイズ。これ、何でしょう。分かる方、相当の左官マニアかもしれませんよ。