竹という伝統素材

2013/07/07

日々雑感

今日は7月7日で七夕にちなみ「竹・たけのこの日」。

というわけで「竹」のオハナシです。
以前もお伝えしましたが、建築に使われる竹…奥が深いのでさわりダケを。

竹の種類も数多いのですが、古くから好んで使われてきたのは真竹(マダケ)。中国原産とも日本に自生していたともいわれています。
肉厚で弾力や強度に優れているほか、他の竹と比べて虫がつきにくい(?)とも聞いたことがあります。


その他、孟宗竹(モウソウチク)、淡竹(ハチク =呉竹)といったところでしょうか?

建築や住まいでの用途としては、土壁の骨組み下地となる竹小舞、藁葺き屋根の下葺き材、床材や網代天井の材料になることもありますね。さらにはすだれや竹かごなどの室礼の素材としても。

身近にあり、入手も加工も簡単な素材として重宝されてきたわけです。


竹にちなんだ熟語も多いのですね。
  • 「竹頭木屑(ちくとうぼくせつ)」…つまらないものでも、何かで役に立つかもしれないから粗末にしないこと。廃物利用すること。
  • 「稲麻竹葦(とうまちくい)」…多くの人や物が入り乱れるように群がっているさま。また、何重にも取り囲まれているさま。
  • 「胸中成竹(きょうちゅうせいちく)」…実行する前に予め成功のめどをたて準備を整えておくこと。
  • 「竹馬之友(ちくばのとも)」…幼友達のこと。幼いころ竹馬に乗って、一緒に遊んだ友達の意。
有名なのは「竹馬の友」ですね。
ただこのコトバ、由来がちょっとイヤなオハナシ。

中国の歴史書「晋書」の中で、桓温という政治家が失脚させた殷浩という人物について、「殷浩と私は子供の頃、竹馬で遊んでいたが、いつも私が乗り捨てた竹馬に殷浩が乗って遊んでいた」と言った…

つまり常に自分が上なのだという話を元に出来た言葉なのです。
単に「仲良し」を表す言葉ではないんですね。

ちなみに竹と馬の組み合わせで「篤」という文字…

時層写真(1971頃)
時層写真(1971頃) / hajimebs


馬の誠実で温厚な意味から誠実で親切さを表す。また敏感で、すぐ藪に隠れてしまうような性格であるから、決して出過ぎない謙虚な姿勢を意味する。

という意味なのだそうです。竹馬とは関係ないようですね。

七夕の日。短冊に何か願いは込めましたか?
・・・誰かの大切な願い事が叶いますように。