絵葉書からも分かる「伝統」

2014/08/16

伝統素材

歴史ある町、歴史ある産業。それを、ちょっとしたものから知ることが出来ます。

写真は大阪・堺の絵葉書。

さすが世界経済の一端を担った国際都市。絵葉書の絵柄も面白いものが多いですね。


上から左右、左右と説明しましょうね。

上左 「聚楽第行幸図屏風」
聚楽第は豊臣秀吉が建てたといわれる邸宅。
京都の西陣あたりにあったといわれていますね。この屏風、堺市博物館で所有されているものなんです。ちなみにこの聚楽第跡地から採られる土が正真正銘の「聚楽土」。ジュラクやじゅらくは所詮ニセモノです。

上右 「緞通織機」
堺は絨緞の町。手で織られる美しさは是非ともその目で。
佐賀の鍋島緞通、兵庫の赤穂緞通とともに日本三大緞通とも。

中左 「泉州堺打物見世之図」
堺の代名詞ともいえるのが刃打物。
現在でもプロ用の9割を占めているのだとか。(堺刃物商工業協同組合連合会

中右 「三階蔵」
郷土画家・岸谷勢蔵筆「生家」の中から。
三階建の土蔵、まさに富の象徴ですね。
現存しているものもかなり少ないんです。

下左 「堺市鳥瞰図」
昭和初期の堺。かなりの隆盛ぶりが伝わってきます。
港入口の大きな建物は堺水族館。日本初の本格水族館です。

下右 「日本島図」
テイセラ日本図として有名な地図ですね。
地図の真ん中はsacay(サカイ)。「東洋のベニス」として栄えていた町です。
面白いのは九州。このころはブンゴと書かれています。ブンゴは豊後。大分です。辻野先生のオハナシにもありましたね。


というわけで、絵葉書だけでもその地域の特色が分かります。
地域と伝統技術、伝統素材、ちゃんと関係があるんです。