春を告げる伝統素材。

2015/02/05

伝統素材

立春が過ぎ、コヨミの上ではもう春。
暖かい九州では、満開とはいきませんが菜の花が咲いています。

冬枯れた中から一番最初に咲き始めるのが菜の花。
花が咲き始めるとなんだか嬉しくなりますね。




春を告げる菜の花畑。

何のために栽培されているかご存知ですか?
キレイですね。花として?辛子和え美味しいですよね。食用として?


菜の花の別名は「アブラナ」といいます。

名前の通り、油を採るための植物としても知られていますね。

菜種油(なたねあぶら)のナタネは、の花のタネ
食用として最も用いられている植物油のひとつです。

我が国では弥生時代くらいから栽培され、油として使われ始めたのは江戸時代。
灯火に用いられ始めたのが主流でしょうね。

ただし、今我々が目にするものは
ほとんどが明治時代に入ってきたセイヨウアブラナなのだそうです。

油と漆喰。全く無縁に思われる方も多いと思いますが

西日本を中心に、漆喰に油を練り込むという技法があります。

漆喰は水を吸う素材。
壁や屋根に塗られた漆喰に、少しでも防水効果を持たせるために
油が練り込まれているんです。
その漆喰をかつては南蛮漆喰とも呼んでいたようです。

 南蛮漆喰。
 名前の通り南蛮から来たのでしょうか?

ちなみに今「なんばんしっくい」というと
漆喰ではなく、「樹脂入り粘土」のことを指すことが多いようですね。
言葉は正しく使っていかねば。