昨年大注目されたのが世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」。
で、そのシンボル的存在がこの富岡製糸場のレンガ造の建物。
明治5年(1872年)の開業当初の姿が残された建物の数々。
それまで我が国にレンガを焼成する技術も無く、
レンガの焼き方がやってきたのも「文明開化」だったんですね。
そしてこの建物、木造レンガ造という、大変珍しい建築物です。
そして…見逃せないのがやはり「漆喰」。
日本で初めて官営セメント製造所が造られたのが明治8年の事ですから、
無論、富岡製糸場が建てられた時にはセメントが無いんです。
だから、やっぱり漆喰。
…ちなみにペンキはフランスからの輸入品を使ったそうです。
訪問した際、建物を見回して見つけたペンキの剥がれた場所。
これは、明治期の漆喰でしょうか?
石灰に交じり合っている素材の色もなんとなく違うように見えます。
さらにはレンガ…ではなく目地に注目です。
セメントがありませんから、当然、漆喰が詰められているんです。
ほら、石灰と砂の色。やはり現代のものとは違います。
さすがに削って確かめるわけにはいきませんでしたが、
100年を越えた漆喰の姿。
世界遺産を観に行ったなら、漆喰の姿も確かめてくださいね。