絵葉書。 懐かしいだけじゃダメですよ。

2015/08/16

日々雑感

最近、絵葉書を買い求めたことは?

昔は旅先からのお便りやお土産として良く売れていたようですが…
今は写真とメールで終わってしまうようですね。


さて、そんな絵葉書から歴史ある町、歴史ある産業。
それを知ることが出来ます。

写真は大阪・堺の絵葉書。
さすが世界経済の一端を担った国際都市。
絵葉書の絵柄も面白いものが多いですね。


上から左右、左右と説明しましょうね。

上左 「聚楽第行幸図屏風」
聚楽第は豊臣秀吉が建てたといわれる邸宅。
京都の西陣あたりにあったといわれていますね。

この屏風、堺市博物館で所有されているものなんです。
ちなみにこの聚楽第跡地から採られる土が正真正銘の「聚楽土」。
ジュラクやじゅらくは所詮ニセモノです。

上右 「緞通織機」
堺は絨緞(ジュータン)の町。手で織られる美しさは是非ともその目で。
佐賀の鍋島緞通、兵庫の赤穂緞通とともに日本三大緞通とも。

中左 「泉州堺打物見世之図」
堺の代名詞ともいえるのが刃打物。
現在でもプロ用の9割を占めているのだとか。(堺刃物商工業協同組合連合会

中右 「三階蔵」
郷土画家・岸谷勢蔵筆「生家」の中から。
三階建の土蔵、まさに富の象徴ですね。
現存しているものもかなり少ないんです。

下左 「堺市鳥瞰図」
昭和初期の堺。かなりの隆盛ぶりが伝わってきます。
港入口の大きな建物は堺水族館。日本初の本格水族館です。

下右 「日本島図」
テイセラ日本図として有名な地図ですね。
地図の真ん中はsacay(サカイ)。「東洋のベニス」として栄えていた町です。
面白いのは九州。このころはブンゴと書かれています。
ブンゴは豊後。大分です。

というわけで、絵葉書だけでもその地域の特色が分かります。
地域と伝統技術、伝統素材、ちゃんと関係があるんです。