2018年5月7日月曜日

和紙と漆喰
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「日本三大和紙」をご存知ですか?

越前和紙・美農紙・土佐和紙。福井、岐阜、高知。和紙の3大産地です。



日本の歴史は主に書物によって伝えられているわけですが、それらが書かれているものも当然「和紙」です。平安時代の書物にはすでに「土佐和紙」という言葉があったそうですから、歴史も大変古いものです。

古典の授業で紀貫之の「土佐日記」、習いましたね?
36歌仙としても知られる紀貫之は土佐の国司として赴任した際、和紙の製造を奨励したそうです。


和紙の原料には主に楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)が使われます。強度を増すために麻が使われることも多かったようですね。

さて、その和紙。日本の伝統建築には不可欠なものだったのです。

障子、襖(ふすま)、屏風、衝立(ついたて)…仕切りとなる場所に貼るだけでなく、その上から絵を書いたり和紙自体に彩色したり。住まいの室礼(しつらい)をととのえる上でも大変重要なものでした。また、書物や記録用紙としても。

和傘にも貼られていましたね。


更には、左官材料にも使われていたのです。
土壁や漆喰の最高級仕上げである「磨き」。


顔が映るくらいに磨き上げられるその壁に使う材料には、古来より「すさ」として和紙の繊維が使われています。一般に「紙すさ」「玉すさ」と呼ばれているものです。
しかし他の伝統素材と同様に、良い「紙すさ」も入手が難しくなってきました。

紙すさの原料となるのは主に和紙のリサイクル。
不要になった書物や建具の和紙を有効利用して造られていたのです。
循環型建築社会が行き詰まっている現代を象徴する素材の一つです。