冬の出張では気を付けないとならないことがあります。
最近の宿泊施設は空気がとても乾燥していますから、加湿器をお借りできるところでは、しっかり加湿。そうでないところでは濡れタオルをぶら下げたり、お風呂にお湯を張ったり、マスクをして寝たり、と注意していたのですが…疲れているとうっかり忘れてバタンキュー。
夜中に喉がガラガラになるという大失敗。喉の痛みで目覚めるくらい乾燥しますね。
こんな状態は大変危険ですね。放っておくと風邪をひきます。
そんな時は、あわてて喉を消毒して水分採ってマスクして、回復をはかりますが…
凄く気を付けているつもりですが、う~ん未熟者です。
で、毎度、体調を壊すと思い出すのは宮沢賢治。雨ニモマケズです。
雨ニモマケズ
雨ニモマケズ有名な「詩」です。
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイゝトイヒ
北ニケンクワヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
南無無邊行菩薩
南無上行菩薩
南無多寳如来
南 無 妙 法 蓮 華 経
南無釈迦牟尼佛
南無浄行菩薩
南無安立行菩薩
ただ、どうしても冒頭の言葉から
「頑張る!」「頑張れ!」というイメージが強いですね。
しかし、ちょっと違います。
私なりに現代語に書き直したもの、読んでみて下さい。
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ 丈夫な身体を持ち
欲は無く
決して怒らず
いつも静かに笑っている
1日に玄米4合と味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに 良く見聞きし 解かり
そして忘れず
野原の松の林の蔭の 小さな茅葺きの小屋に居て
東に病気の子供あれば 行って看病してやり
西に疲れた母親あれば 行って稲の束を背負い
南に死にそうな人あれば 行って「怖がらなくてもいい」と言い
北に喧嘩や訴訟があれば「つまらないからやめろ」と言い
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
皆に「でくのぼう」と呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういうものに私はなりたい
(以下略)
「誰かのために。」 …きっとそうだったのでしょう。
ちなみに、宮沢賢治は石灰の営業マンでした。
貧しい農家の人々のため。苦しむ石灰工場の人々のため。
誰かのために役に立ちたい。きっと、そんな気持ちを書き綴ったのでしょう。
そんな彼の信念、理念を考えながらこの詩を見聞きすると、さらに違った感動が沸いてきます。
ただ・・・そのためには丈夫な体が必要だったんです。
石灰に携わるものとして、心に掘り込まねばならぬコトバですね。