こんな時期だから絵葉書で手紙を書いてみたい

2021/08/16

日々雑感

最近、絵葉書を買い求めたことは?
昔は旅先からのお便りやお土産として良く売れていたようですが、今は写真とメールで終わってしまうようですね。

さて、そんな絵葉書から歴史ある町、歴史ある産業を知ることが出来ます。
写真は大阪・堺の絵葉書。さすが世界経済の一端を担った国際都市。絵葉書の絵柄も面白いものが多いですね。


上から左右、左右と説明しましょうね。

上左 「聚楽第行幸図屏風」
聚楽第は豊臣秀吉が建てたといわれる邸宅。
京都の西陣あたりにあったといわれていますね。

この屏風、堺市博物館で所有されているものなんです。
ちなみにこの聚楽第跡地から採られる土が正真正銘の「聚楽土」。
ジュラクやじゅらくは所詮ニセモノです。

上右 「緞通織機」
堺は絨緞(ジュータン)の町。手で織られる美しさは是非ともその目で。
佐賀の鍋島緞通、兵庫の赤穂緞通とともに日本三大緞通とも。

中左 「泉州堺打物見世之図」
堺の代名詞ともいえるのが刃打物。
現在でもプロ用の9割を占めているのだとか。(堺刃物商工業協同組合連合会

中右 「三階蔵」
郷土画家・岸谷勢蔵筆「生家」の中から。
三階建の土蔵、まさに富の象徴ですね。
現存しているものもかなり少ないんです。

下左 「堺市鳥瞰図」
昭和初期の堺。かなりの隆盛ぶりが伝わってきます。
港入口の大きな建物は堺水族館。日本初の本格水族館です。

下右 「日本島図」
テイセラ日本図として有名な地図ですね。
地図の真ん中はsacay(サカイ)。「東洋のベニス」として栄えていた町です。
面白いのは九州。このころはブンゴと書かれています。
ブンゴは豊後。大分です。

というわけで、絵葉書だけでもその地域の特色が分かります。
地域と伝統技術、伝統素材、ちゃんと関係があるんです。