まずは問題。
「甍」 という字を読めますか?
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正解は「いらか」と読みます。屋根の上棟、または瓦屋根自体のことをさして、そう呼びます。
「こいのぼり」の歌詞を覚えていますか?
♪甍(いらか)の波と雲の波 重なる波の中空(なかぞら)を
という瓦。我が国では千年を越えて使われてきた伝統素材です。
が、最近は地震の家屋倒壊などの悪者と思われていることも、しばしば。
ちなみにコレが伝統構法でつくられた屋根のカットモデル。ご覧のとおり、平瓦を重ね上げて、最後に屋根土と共に棟を重ねて…というもの。こいういった構造ですから過去の地震の際には、棟が壊れたりズレたりという被害が続出しました。
壊れる。落ちる。でも、それが正規の姿なんです。
伝統構法で建てられた、我が国の木造建築では、柱は石の上に立てられているだけでしたね。その上から瓦の重みで押えてバランスが保たれていたんです。
つまり、もともと「揺れる」建物だったわけです。
で、地震が起きると?
建物が大きく揺れると、瓦が落ちて力を逃し、建物が壊れるのを防ぐことができました。さらに最終的には石の上の柱も、石から落ちるだけで力を逃します。
だから瓦が落ちるのは「設計通り」だったんですね。
さて、現代の屋根は?
耐震の事も考えて様々な工夫がなされているようですね。