都は何度も引っ越している

2022/12/27

何の日?

今日12月27日は、遷都の日。持統天皇によって694年、飛鳥浄御原宮から藤原京に遷都された日であり、桓武天皇によって784年、平城京から長岡京に遷都された日です。

憶えていますか?
  • 710年 平城京(なんと りっぱな平城京)
  • 794年 平安京(なくよ ウグイス平安京)


都を移した歴史、つまり遷都の歴史で有名な2つですが…
我が国の「京(みやこ)」を移したのはそれだけではありません。

有史上、こんなに都は移されているんです。
wikipediaより引用
都市名現在の地名在住期間主な天皇副都、その他
泊瀬朝倉宮(はつせのあさくらのみや)奈良県桜井市456年 - 480年雄略天皇
磐余甕栗宮(いわれのみかくりのみや)奈良県桜井市480年 - 485年清寧天皇
近飛鳥八釣宮(ちかつあすかやつりのみや)奈良県明日香村485年 - 488年顕宗天皇
石上広高宮(いそのかみひろたかのみや)奈良県天理市488年 - 498年仁賢天皇
泊瀬列城宮(はつせのなみきのみや)奈良県桜井市498年 - 507年武烈天皇
樟葉宮(くすば)大阪府枚方市507年 - 511年継体天皇
筒城宮(つつきのみや)京都府京田辺市511年 - 518年継体天皇
弟国宮(おとくにのみや)京都府長岡京市518年 - 526年継体天皇
磐余玉穂宮(いわれのたまほのみや)奈良県桜井市526年 - 532年継体天皇
勾金橋宮(まがりのかなはし)奈良県橿原市532年 - 535年宣化天皇
檜隈廬入野宮(ひのくまのいおりの)奈良県桜井市535年 - 540年宣化天皇
磯城島金刺宮(しきしまのかなさしのみや)奈良県明日香村540年 - 572年欽明天皇橘の宮(橘寺)
百済大井宮大阪府河内長野市・奈良県広陵町・大阪府富田林市・奈良県桜井市など諸説あり572年 - 575年敏達天皇
訳語田幸玉宮(おさたのさきたまのみや)奈良県桜井市575年 - 585年敏達天皇
磐余池辺雙槻宮奈良県磯城郡585年 - 587年用明天皇
倉梯柴垣宮奈良県磯城郡587年 - 593年崇峻天皇
飛鳥豊浦宮奈良県明日香村593年 - 603年推古天皇
飛鳥小墾田宮奈良県明日香村603年 - 630年推古天皇
飛鳥岡本宮奈良県明日香村630年 - 636年舒明天皇
田中宮奈良県橿原市636年 - 640年舒明天皇
百済宮奈良県広陵町640年 - 642年舒明天皇
飛鳥小墾田宮奈良県明日香村642年 - 643年皇極天皇
飛鳥板蓋宮奈良県明日香村643年 - 645年皇極天皇
難波長柄豊碕宮大阪府大阪市645年 - 655年孝徳天皇
飛鳥板蓋宮奈良県明日香村655年 - 655年斉明天皇難波長柄豊碕宮
飛鳥川原宮奈良県明日香村655年 - 656年斉明天皇難波長柄豊碕宮
後飛鳥岡本宮奈良県明日香村656年 - 661年斉明天皇難波長柄豊碕宮
朝倉橘広庭宮福岡県朝倉市661年 - 661年斉明天皇難波長柄豊碕宮
難波長柄豊碕宮大阪府大阪市661年 - 667年孝徳天皇
近江大津宮滋賀県大津市667年 - 672年天智天皇-弘文天皇難波長柄豊碕宮
飛鳥浄御原宮奈良県明日香村672年 - 694年天武天皇-持統天皇難波長柄豊碕宮
藤原京奈良県橿原市694年 - 710年持統天皇-文武天皇-元明天皇
平城京奈良県奈良市710年 - 740年元明天皇難波京
恭仁宮京都府木津川市740年 - 743年聖武天皇難波京
紫香楽宮滋賀県甲賀市743年 - 744年聖武天皇難波京
難波京大阪府大阪市744年 - 745年聖武天皇
平城京奈良県奈良市745年5月 - 784年聖武天皇難波京、保良宮、由義宮
長岡京京都府向日市、長岡京市、京都市784年 - 794年桓武天皇 
平安京京都府京都市794年 - 1180年桓武天皇 
福原京兵庫県神戸市1180年6月 - 1180年11月安徳天皇 平安京
平安京京都府京都市1180年 - 1868年安徳天皇 
(南朝)吉野行宮奈良県吉野町1336年 - 1348年、1373年
(南朝)賀名生行宮奈良県五條市1336年・1348年 - 1351年・1352年 - 1354年・1373年 - 1392年
(南朝)天野行宮大阪府河内長野市、金剛寺1354年 - 1359年
(南朝)住吉行宮大阪府大阪市1360年 - 1373年
東京東京都千代田区1868年5月 -明治天皇※京都を首都と解する立場がある(東京奠都は都を東京に遷すものではないとの解釈)

新宿副都心、さいたま新都心、さらには大阪「都」構想なんてものもありますね。
今も昔も「首都機能」の移転は大変なコトです。

ところが、歴史上、都の引越しでは政府機関の移転だけでなく、様々なものが移されてきました。

藤原京から平城京への遷都の際には、四大寺と呼ばれた大安寺、薬師寺、興福寺、元興寺などもそれぞれ移転。

我が国最古とされる元興寺さんの飛鳥時代の瓦や木材も、全て今の場所に運ばれて再利用されているものなんです。我が国の「建築」というものは、全て再利用出来るものであったことが良く分かるオハナシですね。

最古の瓦


最古の木材


ちなみに元興寺さんは元は「法興寺」。今の飛鳥寺さんです。
「仏法が興った寺」の名の通り、我が国最古の本格的寺院でした。