「殺し屋参上」。穏やかでないメッセージですね。
実はこれ、害虫駆除会社さんの登録商標なのだそうです。
九州・鹿児島市の中心街へ行ったことがある方は必ず目にしていたあの看板、大変特徴的ですね。
殺し屋は駆除会社さんのこと?それともシロアリのこと?
木の住まいにとってシロアリは致命傷になりますね。
しっかりと駆除しなければなりません。
お気づきですか?
虫の多い季節…シロアリ駆除のコマーシャルや広告も多いですよね。
この季節…ブーム?(笑)
他の昆虫もそうですが、一番活発に動き回る季節なんですね。
さて、100年近く前の住宅を見てみましょう。
壊して新築するほうが簡単なのでしょうけれど、家主さんはあえて今のモノを遺す選択をしました。
理由は省エネ、エコ、環境貢献?
…ただそれだけではないですね。
100年。
太い構造材として使われている木材は、今からが本当に強くなる時期。皆さんの常識とは異なり、木は切ってから何十年も経ったものの方が丈夫なのです。ある説では樹齢100年の木は切ってから100年後が一番強いとか。
― ただし、木は腐るし虫に食われるし…ということが悩みのタネですね。
そんな古民家で実際にシロアリの被害について見てみましょう。
改修工事が行われた際に現場で見つけた事例です。
見るからに湿っぽい木材。
よ~く見てみると…あ、居た。シロアリが行進しています。
光を嫌うシロアリ。こうして動いている姿を見るのは珍しいことです。改修の途中だからこそ見られる姿でした。当然、食われたところはしっかり駆除し、傷みが激しい部分の交換などを行ってから、工事は進められました。
さて、このシロアリ。我が国には20種近いシロアリが生息します。その中で木材を食い荒らし、住まいに害を加える「害虫」と言われるのはヤマトシロアリとイエシロアリの2種。…と某教本で習ったのですが、実際にはダイコクシロアリとアメリカカンザイシロアリを加えた4種が挙げられます。
家を食べない(!?)他のシロアリは、森や林の中などで枯葉や枯れ木などを食べて生息しています。シロアリが食べ、そのフンをアリの体内のバクテリアが食べ…と、自然のサイクルの一つとして機能しているのです。
自然の分解作用の一つなのですね。私たちの美徳は自然と共生すること。
アリに家を食われても、自然の姿だからと納得…できませんよね。
でも、心配になるのは使用される防蟻剤が「人体に配慮」されたものなのかどうか?
虫が生きていけないのに、ヒトに大丈夫…都合が良すぎませんか?
心配になった方は本当の専門家に相談してみましょう。