漆喰に必要な素材「すさ」

2010/09/16

漆喰

漆喰には、素材自体の強化と作業性の向上などのために
植物繊維が混ぜられます。

その材料を「すさ」(=?)といいます。
 
原料植物は主に麻が使われてきました。
古くから使われていたのは大麻、苧麻。
大麻は最近、悪事の代表になっていますね?
その茎の表皮を使うのです。

苧麻はイラクサ。
山遊びしたことのある方なら、服にペッタンと貼った
シソみたいな葉っぱのアレです。


近世では、亜麻やマニラ麻、ジュートなど。

亜麻色の髪や亜麻仁油で知られる亜麻は
明治初頭の北海道開拓からの栽培です。
今はヨーロッパ産がおおいのでしょうか?
リネンと呼んだほうが分かりやすいですね。

マニラで知られるマニラ麻は馬尼剌麻として
明治期の文献に、漆喰用の素材として使えないかという論文が残っています。
名前の通りフィリピン原産ですね。
耐水性があり、船のロープなどで使われていたものを建材用に加工していました。
ところが最近、本物のマニラはほとんど流通していません。
ロープ素材がナイロンなどに変わったことや
マニラ麻(アバカ)はフィリピンからの国外持ち出し禁止品になっていることが
影響しているようです。

現在「マニラ」として売られている繊維はほとんどがサイザル麻。
荒物屋で売っているマニラロープもサイザル麻で出来ています。
気をつけてください。耐水性が格段に悪いですから。

で、南京袋の原料としてのジュートまたはケナフ。
ジュートの主な産地はインドやバングラデシュ。
黄麻や綱麻と書かれます。よく売られている麻紐もコレです。
ケナフは茎がパルプの代わりに用いられます。
「環境に優しい」として最近良く目にしますね。

と、いうわけで国産の素材は全く流通すらしていないのが現状です。

漆喰は日本の伝統工芸だ!なんて恥ずかしくて言えません。
その原料の素材がないのですから。


でも、なんとか探してみたいですよね。国産の麻すさ。

実は国内で許可を受けて麻の栽培をしている地域があるのです。
が、目的は伝統工芸や神事などのため。
左官向けにはほとんど手に入りません。 残念です。

伝統素材を伝承していくために-大麻畑
写真は国内某所の大麻畑