薬師寺さんで奈良時代に書写されたとみられる経典が見つかりました。
奈良時代の紙。
奈良時代の墨。
そして奈良時代にもたらされた経典。
大般若経は玄奘三蔵がインドから持ち帰ったとされるもの。
インドからシルクロードを経て唐へ。
そして大和へもたらされたものです。
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歴史ロマンだけでなく、人の手を通じて時間をかけてもたらされたもの。
それに関わった人々の思いを考えるとなんだか温かいものが心に灯ります。
しかし、なぜ1300年近く前のものが現代に遺っているのか?
考えたことがありますか?
和紙がとても優れたものであったことはもちろんですが
それを「大切なもの」として扱ってきたことによるものが大きいですね。
と、言うと当たり前だと思われそうですが…
本棚の本、大切にしていますか?
埃をはらったり、虫干しをしたり。
なかなかできることではありません。
当然、伝統構法による建物で湿気がコントロールされやすいことも
その要因でもありますね。
その実例としては…実家のミカン蔵に置いておいた乳母車。
現在、妹がわが子のために使っていますが、
その乳母車は妹本人が30年前に乗せられていたものです。
古くからの知恵の結晶。
それが伝統構法です。
校倉造の経蔵(唐招提寺)