ふるさと文化財の森

2013/03/22

伝統素材

3月18日、文化庁より新たな「ふるさと文化財の森」が6か所選定されました。

ふるさと文化財の森とは、文化財に使われる材料を確保するために選定された素材の原産地の保護事業のひとつです。
国宝や重要文化財などの文化財建造物を修理し、後世に伝えていくためには、木材や檜 皮、茅、漆などの資材の確保と、これに関する技能者を育成することが必要です。 このため、文化庁では、文化財建造物の修理に必要な資材のモデル供給林及び研修林と なる「ふるさと文化財の森」を設定しています。また、この「ふるさと文化財の森」は、 修理用資材を通じて文化財保護への理解を深めることも目的としています。 今回は、この趣旨に賛同いただいた所有者等の申請に基づき、平成25年3月25日付け で6箇所の「ふるさと文化財の森」を文化庁が新たに設定しました。 これによって、「ふるさと文化財の森」は合計51箇所となります。
文化庁報道発表より 
と、いうわけで新たな6つです。

材 種名 称所在地所有者等
木材
(クリ)
二戸市金田一川地区岩手県二戸市個人
木材
(スギ)
山形大学上名川演習林山形県鶴岡市国立大学法人山形大学
高エネルギー加速器研究機構茅場茨城県 つくば市大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構
木材
(スギ・ヒノキ)
川上村有スギ・ヒノキ林
(下多古地区)
奈良県吉野郡川上村川上村
檜皮岩国市倉谷市有林
(錦帯橋備蓄林)
山口県岩国市岩国市
木材
(スギ・ヒノキ)
鍋島林業スギ・ヒノキ林長崎県雲仙市鍋島林業株式会社

昨年は漆と茅場の指定が多かったように思えますが、今回は木材としての林が多いですね。

ちなみに我が郷土、大分県では幻の畳表(たたみおもて)の原材料である
「七島い」の田圃がその設定をうけています。


でも、後継者や生産者、様々な問題は山積したままなんです。

「ふるさと文化財の森」は全国51か所。
所有者によっては同様の問題を抱えていらっしゃるところ、少なくないと思います。