なにも「晴れ」ばかりが良いわけではない

2013/10/16

古民家鑑定士

ニッポンの伝統建築。
実際に目にすると「うわ~っ」と圧倒されますね。で、圧倒されたまま、大切なポイントを見落とすことって良くあるんです。


なので今日はクイズ方式で。落ち着いて考えてください。

上の写真の伝統建築物。
張り出した軒。広い廊下。中まで雨が降りこむことはめったにないですね。

さて、ここで問題。

Q.この建物の写真、良く見ると普通の住まいでは当たり前についているものがついていません。それはいったい何でしょうか?



正解は雨樋(あまどい)。
今の建物では降った雨は瓦を伝って樋へ集められますね。


樋が無かったら?
軒下はびちゃびちゃになりますよね。降った雨水が地面から建物へと伝わって…

そうならないような構造なんです。
一段高くなっていますので基礎は濡れないままで大丈夫。
降った雨粒は砂利を多く固めた三和土で受けています。


だから基壇の石にはコケが生えているのに、その上の三和土はキレイなまま。


奈良や京都の寺社仏閣ではこの写真よりももっと古くの建物。
雨が降る事への様々な工夫も見られますよ。

いっそのこと雨の日に観に行くのも楽しいかもしれません。
新たな発見、とても嬉しい気持ちになりますよ。