最近はフシアナを知らない人が増えているらしい

2021/09/23

古民家鑑定士

最近、節穴(ふしあな)って見ることが少なくなりました。
フシアナ。「お前の眼はフシアナか~!」のフシアナです。

それでも「節穴」というものがどんなものか想像つかない方もいるかもしれません。


これがどうやって出来るのか…?
樹木には必ず枝が生えますね。その部分なんですよ。


成長した木を切り出して、木材として使う際に枝があった場所には節(ふし)が残ります。
伝統素材を伝承していくために

ところが、キレイな節として残る部分は、最後まで枝が残っていた部分。
逆に、日があたらなくなり枯れ落ちてしまった枝があった部分は、木の細胞がちゃんと繋がっていないため、節が抜け落ちてしまうことがあります。

それが死に節。その穴が節穴になるんです。
じゃあ死に節がある木材は使えない?

そんなことはありません。その際には穴と同じ大きさに削った木を穴に埋め込みます。これを「埋め木」といいます。
また埋め木は、ほぞ穴が空いていた古材を再利用する際にも行われる伝統技法です。
だから、飛鳥、奈良、平安…昭和にいたる様々な木材が共存している
奈良・元興寺さんの小屋束(こやつか)でも、このとおり。
伝統素材を伝承していくために

使えるものはしっかり使う。
これが日本に循環型社会があったことのあかし。

誇らしいですよね。

さらにコチラは大工さんの技。床柱の節にに施した埋め木です。
伝統素材を伝承していくために

では節穴を見なくなったのは?
節穴が出来ない木材を使っていることが多いからですね。

何故でしょうか?
知りたい方は木の専門家に聞いてみましょう。