文化財の震災被害状況

2011/03/28

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京都・立命館大学に歴史都市防災研究センターという研究施設があります。


センターの目的は、その名前からわかる通りですね。

文化遺産を災害から守るための研究を国内外を問わず共有し

研究領域として

  • 文化遺産の災害史

  • 文化遺産の災害危険度

  • 文化遺産の保全

があげられています。


そのセンターから暫定的なものではありますが

震源周辺の文化財の分布図が3月18日に公表されています。


さすがに歴史ある土地。

様々な文化財が点在しています。


マップクリックでpdf取得。




のぶヒろぐにも書きましたが

3月23日に文部科学省から発表された
東北地方太平洋沖地震等による被害情報について(第38報)によれば

国公立・私立の学校、社会教育・体育・文化施設、文化財、研究施設などが受けた
物的被害は7116件。

文化財については下記のように広範囲に様々なものが被害を受けました。



都道府県別被害状況
都道府県被害件数
北海道
青森県
岩手県
宮城県
29
秋田県
10
山形県
福島県
13
茨城県
45
栃木県
24
群馬県
54
埼玉県
15
千葉県
38
東京都
27
神奈川県
10
新潟県
山梨県
長野県
静岡県
三重県
296






登録別被害状況(重複あり)
登録被害件数
国宝
重要文化財
102
特別史跡
史跡
44
特別名勝
名勝
12
天然記念物
11
重要伝統的建造物群保存地区
重要有形民俗文化財
その他
117


津波によって消失した北茨城の六角堂。
地震により全壊した大崎市の旧有備館。

その他に、
  • 瑞巌寺庫裏及び廊下(宮城県)(漆喰壁に一部崩落・亀裂)
  • 大崎八幡宮(宮城県)(板壁・漆塗装・彫刻に軽微破損)
  • 仙台城跡(宮城県)(石垣崩落)
  • 旧小原家住宅(岩手県)(壁にひび割れ)
  • 伊藤家住宅(岩手県)(壁にひび割れ)
  • 秋田城(秋田県)(塀に一部剥落)
  • 阿弥陀堂(福島県)(扉まわりに軽微な破損)
  • 清白寺仏殿(山梨県)(内部の欄間の破損等)
  • 松島(宮城県)(各所で地震及び津波による甚大な被害)
  • 旧弘道館(茨城県)(学生警鐘の全壊、弘道館の壁漆喰の落下等)
  • 真壁地区(重伝建)(茨城県)(石蔵や土蔵の倒壊)
  • 伊能忠敬旧宅(千葉県)(屋根の飾り落下)
  • 旧浜離宮庭園(東京都)(芳梅亭屋根へこみ、給水管破裂、灯篭倒壊)
  • 小石川後楽園(東京都)(涵徳亭入り口階段ひび割れ等)
  • 多賀城跡附寺跡(宮城県)(整備した正殿基壇の舗装の亀裂の増大等)
  • 六義園(東京都)(ツツジ茶屋柱ずれ等)
  • 江戸城跡(東京都)(石垣等崩落)

とにかく挙げればきりのないくらい。
軽微な被害のものもあります。

復旧・支援は人命を優先とします。
それはあたりまえのこと。

しかし、放っておけば
貴重な文化が次々に失われてしまうことは間違いありません。

災害から立ち上がり、周囲を見渡した時
文化と呼べるものがない状況…それは「豊か」とは言えないのかもしれません。



そのような災害から事前に文化財を守っていく「英知」を集める施設。

今後の研究にとても期待したいですね。